情報教養研究会 特別連載
国際協力・交流と私(7回シリーズ)
(No.3)タイの大学教員との交流を通して
関西国際大学短期大学部経営学科 助教授 赤松 辰彦

<最終更新日 1999/5/12>
私が初めてタイ国の研修旅行に参加したのは、平成7年4月27日〜5月5日
でした。
4年前ですね。でも、この研修旅行がきっかけで、多くのタイ国の人々との交流
が始まりました。
とりわけ、一番最初に訪問したバンコクのラジャマンガラ工科大学バンコクテ
クニカルキャンパスでコンピュータセンター長をされていたスヤニー先生(女性)、
そしてプーケットにあるプーケット地域総合大学(当時はプーケット教育大学)
のチョークディ先生(男性)との出会いのおかげで、私自身タイ国が大変好きに
なりました。
最初の研修旅行では、かなり意気込んで教材を準備しました。ワークショップ
がはじまるまでは、大学教員は英語がそこそこ話せると思っていました。
しかし、いざ自分がプレゼンテーションしてみると英語によるコミュニケーショ
ンがとりにくいこと、タイ英語とでもいおうか、アジア英語の発音のわかりにく
いこと。
それにもまして自分の英会話力がまだまだ未熟であったこと、ましてやタイ国の
母語であるタイ語などはまさにマイカウチャイ(わからない)でした。言語コミ
ュニケーションの限界を感じたワークショップでした。
さらに感じたことは、タイ人の特徴なのか、自分が理解できない(コミュニケ
ーションがとれなかったり、説明がわからなかったりする)と、例えばコンピュ
ータ教室では、私のプレゼンテーションそっちのけでゲームをしたり、なにかソ
フトで遊びはじめます。でもこれは序の口で、日本の学生諸君にも見受けられま
すが、お隣りと話をしたり、あげくの果てにはその場からいなくなってしまいま
す。
それでも、プレゼンテーション終了後は、君のプレゼンテーションは素晴らし
いとでもいうような感じで話し掛けてくれます。
見かけの評価と真の評価の違いがありありわかったワークショップでした。正直
いって身体によくないですね。
タイ人の気質がわからないままワークショップを進めることの難しさ、語学力
でごまかせない難しさを感じた研修旅行でした。
そのなかで、七転八起の精神を教えてくれたのが、まさにチョークディ先生で
あり、スヤニー先生でした。
「努力してできなかったのだからいいじゃないの」、「精一杯頑張ったから気に
しないでいいよ」、「たまたま結果がでなかったからね」というような意味合い
の言葉としてタイ語でマイペンライとよく言われました。
たった一言ですが、ほんとうに気持ちが安らぐようでした。
とくに、チョークディ先生にはいろいろ相談にのっていただきました。
今でも、タイにいくたびにお会いできることを心待ちにしています。
スヤニー先生は現在、チュラロンコン大学教育学部博士課程で学位を取るため
に、勉強されています。彼女のパワーというか、何事にも立ち向かう勇気とエネ
ルギーには頭が下がります。それでいて、礼儀正しく、相手を思いやる心と敬う
心を兼ね備えた女性です。
今では、この2人のおかげで、ラジャマンガラ工科大学、チュラロンコン大学、
キングモンク工科大学、プーケット地域総合大学の先生方や学生達との交流が広
がっていきました。
4年前では考えられなかったことです。タイ国に行った回数もこの4年間でか
なりものになりますが、行く毎に新しい出会いがあります。さらに、今までお世
話になった方々との再会もあります。この出会いと再会の繰り返しが次回タイ国
に行きたいと思う活力となります。苦労した思い出もありますが、自分ではいい
薬になったと思っています。
微笑みの国タイ、でもその微笑みの裏側には、やはり苦労した体験とそれを癒
すための心があるのだと感じさせられる今日このごろです。私は、タイ人の微笑
みを見て心が癒される。タイ人も私の笑顔を見て安心する。これすなわち、微笑
みを私に見せることでタイ人自身も癒されることになります。
とても素晴らしいことだ思います。ただ、欲をいえば、この状況をワークショ
ップの中で、自分のプレゼンテーションに反映できればとも考えています。
なんともいえないなごみが漂うようなプレゼンテーションを実現すること、これ
が今後の私の課題です。
最後に、このような出会いを与えてくれた京都教育大学の林先生に感謝いたし
ます。少しですが日本を外からみれたような気がします。このことが私の学生指
導に大いに役だっています。
今後も機会ある度に、新しい友人との出会いを期待しつつ、今までお付き合い
できた先生方との交流を継続するためにも、自分ができる国際協力をしていきた
いと思います。
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